断熱耐震 性能向上リノベーション
キッチンやお風呂場を新しくしたり、外壁をキレイにしたり、リフォーム・リノベーションの優先順位は目に見える実感しやすい部分を優先しがちで、断熱や耐震のことは後回しにされがちです。でも実は、断熱改修は室内環境を快適に整え、健康改善をもたらし たり、光熱費が下がったり。また、耐震改修は家族の身の安全を守るだけではなく、地域の防災にもなり、いいことづくめなのです。
リフォーム・リノベーションは
断熱と耐震も重要なんです!!
断熱
断熱、それは快適と健康を考えること家族の健康を考えることは、快適な家づくりを考えること。快適な家づくりを考えることは、実は、断熱性能を考えることなのです。
健康は快適な”室温”から
日本の家の3分の2は、
夏暑く、冬寒い
日本は断熱住宅の普及率が低く、夏暑く、冬寒い家が多くあります。
冬は居間と脱衣室など住宅内での温度差が激しく、部屋を移動することによって起こる急激な温度変化は、血圧を上下させ、心臓や血管の疾患を引き起こすヒートショックの要因となります。
また、夏の熱中症の多くは実は屋外ではなく、暑すぎる住宅内で起こっています。住宅に適切な断熱性をもたせることで、こうした事故を防ぐことができます。
日本の住宅の断熱化率
出典:国土交通省調査によるストックの性能別分布を基に、住宅土地統計調査による改修件数および事業者アンケートによる新築住宅の性能別戸数の推計を反映して算出(2019年度)
快適な室温とは?
イギリスでは、健康に過ごせる室温を21°Cとして推奨しており、18°Cまでが許容できる室温だとしています。16°C未満になると呼吸器系の疾患に悪影響があり、12°C以下では血圧や心臓・血管の疾患の危険が高まるとしています。日本では、最低室温が10°C以下になる家も珍しくはありませんが、イギリスの指標で見ると「低体温症を起こす」ほど危険な寒さなのです。
出典:英国保健省年次報告書 2010.3
熱の出入りが最も多いのは窓!
窓が低断熱な家は、
夏暑くて冬寒い
冬に流出する熱の割合は、アルミ窓(複層ガラス)から樹脂窓(Low-E複層ガラス)に変えることで、50%から20%へ約6割も削減できます。家の性能は、効果の大きい窓の性能から考え始めましょう。
外気温:34.8℃ 室温:24℃
8/5 14〜15時(日平均外気最大日) 東京
外気温:2.6℃ 室温:20℃
2/14 5〜6時(日平均外気最大日) 東京
【熱の流入出比率】解析No:00033
●使用ソフト:AE-Sim/Heat(建築の温熱環境シミュレーションプログラム)/(株)建築環境ソリューションズ●気象データ:「拡張ア10呼吸器系疾患に影響ありメダス気象データ」2010年版標準年/(一社)日本建築学会●住宅モデル:2階建て/延床面積120.08m²/開口部面積32.2m²(4~8地域)「2013年省エネルギー基準に準拠した算定・判断の方法及び解説II住宅」標準住戸のプラン●躯体:2016年省エネルギー基0血圧上昇、心臓・血管疾患リスク準レベル相当●窓種:アルミサッシ(複層ガラスA8未満)
健康被害は、断熱に関係あり?
家が寒いと体にさまざまな影響を及ぼします。血圧が上がったり、血行不良によってコリや関節痛、神経痛を誘発することも。免疫力も低下するので、感染症などの病気にかかりやすくなってしまいます。また、肌の乾燥やかゆみを防ごうと加湿しても、空気中の水蒸気が窓に冷やされて結露に変わります。結露した水分が壁の中に侵入してカビが発生すると、アレルギーやぜんそくの原因になるので注意が必要です。
転居後の断熱グレードと各種疾患の改善率
出典:「これからのリノベーション 断熱・気密編」P27 近畿大学 岩前研究室
家が寒いと体にさまざまな影響を及ぼします。血圧が上がったり、血行不良によってコリや関節痛、神経痛を誘発することも。免疫力も低下するので、感染症などの病気にかかりやすくなってしまいます。また、肌の乾燥やかゆみを防ごうと加湿しても、空気中の水蒸気が窓に冷やされて結露に変わります。結露した水分が壁の中に侵入してカビが発生すると、アレルギーやぜんそくの原因になるので注意が必要です。
断熱グレードと家の燃費
家の燃費ってなんでしょうか?クルマの燃費はみなさん気になると思いますが、家の燃費を気にしたことはありますか?家は家全体で使用するエネルギーの1/3を暖房が占めるため、暖房に関する燃費は光熱費に直結します。また冷房よりも暖房は10倍のコストがかかることは実はあまり知られていないかもしれません。
無断熱住宅
1980年基準より前(UA値=3.66)
20畳のリビングを暖める際に
必要なエアコン性能
20畳用
一般的な住宅
2016年基準モデル(UA値=0.71)
20畳のリビングを暖める際に
必要なエアコン性能
14畳用
断熱性の高い住宅
G2グレードモデル(UA値=0.46)
20畳のリビングを暖める際に
必要なエアコン性能
6畳用
耐震
2000年基準は倒壊・崩壊の防止には有効ですが、1度耐えられることが前提で、その後の繰り返す地震までは想定されていませんでした。熊本地震では、震度7が前震・本震と繰り返し起きました。しかし、耐震等級3の木造住宅は、無被害または軽微な被害であったため、安全に住み続けることができると考えられます。
※耐震診断の評点は、倒壊するかしないかを保証するものではありません。
※既存木造住宅の上部構造評点1.0、1.25、1.5は、品確法においての耐震等級1、2、3レベルに相当します。
※地震保険の耐震等級割引と耐震診断割引は異なります。各保険会社にご確認ください。
地震が来ても
安心して
暮らせる家は10%?
木造戸建て住宅において90%以上が、地震で倒壊の可能性がある・可能性が高いという診断結果で現行基準を満たせていません。地震に備えて安心して暮らせる住まいは、わずか10%しかありません。
木造住宅の
耐震診断結果1950年〜2000年までに建築された住宅
出典:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合「建築年度別にみる耐震性に関するデータ発表」より
大きな地震のたびに、
より基準が厳しく
地震の度に法制度が見直され、最近では大きな揺れが繰り返されることでの損壊状況もわかってきました。
耐震は自分だけでなく、
地域のためでもある
地震が起きると、耐震性能が低い住宅は道路を塞いだり、隣の家を押しつぶしたりします。津波から避難しようとしても通れず、救急車が助けにいこうとしても、道路が塞がって助けられない、ということが起こります。「自分の家だから耐震性能が低くてもいい」ということではなく、地域防災の視点で、安全を確保することがとても大切です。
経験者に聞く
性能向上リノベーション
Q1.リノベーションを選んだきっかけは?
築40年以上の木造住宅ですが、東日本大震災をきっかけに、耐震対策をしようと考えました。業者さんに相談したところ、せっかくなら断熱もして暖かくした方がよいとすすめられ、耐震と断熱のリノベーションを行うことにしました。
工務店のコンセプトハウスで断熱した家が暖かいことを体感し、妻が冬季に体調を崩しがちなのが家の寒さが原因ではないかと気づいて、リノベーションを決意しました。
Q2.リノベーションを選んだきっかけは?
寒さ暑さは我慢していても改善されていくことはありません。断熱リノベーションすることで、より長く住み心地のよい家になることを実感しています。
家を建て替えるのは大変ですが、性能向上リノベーションでも新築同様の快適性は得られますし、住み慣れた家の面影が残るのもいいと思います。
Q3.リノベーションを選んだきっかけは?
断熱リノベーションした後は、冬の朝に起きるのが楽になり、風呂上がりの立ちくらみもなくなりました。妻も以前より冬場に体調を崩すことが減りました。冬場でも愛猫が暖かそうに伸びています。
自宅前の道路にトラックが通るので、地震かと勘違いすることがあるくらい揺れていましたが、耐震リノベーションをしたら、全く揺れなくなりました。地震対策にもなって一石二鳥です。
断熱すると夏場は熱がこもってしまわないかと心配でしたが、冷房もすごく効きがよくなりました。リノベーション全体を通して、一番よかったことは断熱工事をしてもらったことです。内窓をつけたおかげで、寒さ暑さが和らいだだけでなく、外の音が聞こえにくくなったのもよかったです。